長野県で20年以上にわたり地域医療にかかわってきました。小児の患者さんから世代や疾患を選ばず診させていただきます。
専門は老年期ならびに認知症です。困ったことがあれば、ぜひご相談ください。
私が医師になった昭和53年ごろは、精神科といえば「病院に入院する」という時代でした。精神科医としての研修を終えた後、当然のように精神科病院で働きましたが、患者さんの長期入院をはじめとする様々な問題にぶつかり、精神疾患を持つ人も地域でケアされるのが当然であるという理念(地域精神医療)から、臨床心理士の田久保と二人で平成2年に立ち上げたのが「熊谷神経クリニック」です。
不必要な入院を避け、地域でケアするためにデイケアを開設し、訪問医療も早くから行っていました。さらに患者さんを支えるのは医師のみではなく、臨床心理士、精神保健福祉士、看護師などコメディカルであるとの認識から、チーム医療を重視してきました。
地域精神医療とチーム医療は当院の理念であり、目指すべき方向です。至極当たり前の理念ですが、これを真摯に追求することは様々な困難を伴います。小さなクリニックですがより良いチームを作り、地域の精神医療に貢献できるよう、日々研鑽していきたいと思っています。
メンタルヘルスの問題が重要視される現代社会の中で、精神医療の必要性や社会的認知度が高まり、精神科・心療内科を受診される方が以前に比べ増えてきています。一方、精神疾患の治療や支援は長期間に及ぶことがあります。さらに、医療面だけでなく、住まい、仕事、学校、家庭、経済面など複数の課題を同時に抱えていることも少なくありません。そのため、当院では、一人の患者様に対して、医師・看護師・心理士・ソーシャルワーカー・事務など様々な職種が関わり治療や支援を行っています。
同一法人には、福祉的支援を中核に据えた生活訓練事業所「ひこばえ」があります。「ひこばえ」は、近い将来、単身生活など地域での暮らしが実現できるために必要な知識と力を養うことを目的とした障害福祉サービス事業所となります。
当院では、医療と福祉の両面からのサポートを一体的に提供し、さらには、外部機関とのネットワークも構築しながら、患者様の暮らしを支えられる多機能型精神科診療所を目指していきたいと思います。