当事業所は、平成15年4月に「旧精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」第50条の精神障害者社会復帰施設福祉ホームB型として設立し、その後、障害者自立支援法制定を受け、平成22年10月に障害福祉サービス事業「自立訓練(生活訓練)・宿泊型自立訓練」に移行いたしました。
ここでは、平成15年から20年までの6年間の利用状況を説明し、利用状況や統計から見える当事業所の特徴を知っていただきたいと思います。
当事業所は他の精神障害者社会復帰施設(入所系)に比べ利用者の年代も若く、疾患名も統合失調症のみならず、様々な精神疾患を患っている利用者も多いことが特徴的です。そのため、単に生活の場を提供するだけでなく、就労や単身生活の支援や、家族間の調整、そして、家族から離れた環境の中で病状の安定を図るなど幅広い支援を行なっています。
また、ここ数年では精神科病院に長期入院していた方の利用も目立ち、過去に10数回の入退院を繰り返している方や、入院歴が計30年近くある方が当事業所を利用し、少しずつ生活の術(すべ)を身に付け、行動範囲も広がり、さらに地域の方とも交流を持ちつつ日常生活を送っていました。このことは、『退院促進支援』の一端を担っているとも感じる次第です。
ひこばえでは、この6年間に65名以上の方が利用(体験利用も含む)されています。その中で、利用前は自宅と医療機関の往復だけだった方や自宅に引きこもりがちだった方、そして人生の半分近くを入院生活で送ってきた方々が社会資源を活用できるようになり、デイケアや作業所に通っています。また就労や単身生活に繋がっている方もいます。
旧体系事業の「福祉ホームひこばえ」では単に生活や住居の場を提供する機能だけでなく、時には生活訓練施設のような、時には精神科医療の一助としての役割を担ってきたのかもしれません。
疾患分類 |
統合失調症(F2) 気分(感情)障害(F3) 神経症性障害等(F4) |
利用者総数 |
65名(男27名・女38名) |
通院先医療機 |
埼玉県北部・南部医療機関13箇所 |
利用者住所地 |
熊谷市 62.1%、 行田市 12%、 鴻巣市 5.8%、 |
日中生活状況 |
・デイケア 37.8% ・授産所など 14.7% ・就労 13.3% |
生活保護者 |
13.1%名(熊谷市) |
※以上は過去6年の統計によるものです。