ご家族の皆様におかれましては、相談できる場や人も限られた中、家族だけで悩みを抱え込んでいる方々も多くおられます。
また、精神疾患を持つ者の家族は、人生を楽しむ資格がないかのごとく生きてこられた方も少なくはないと思います。ご家族がこれまでご本人を支えてきたことはとても尊いものであり、私たちはそうしたご家族を多く見てきました。
「ひこばえ」でのご本人の生活や、その後の人生に協力してくださるご家族は、私たちにとって大切なパートナーです。これまで「ひこばえ」を利用された方々の中にも、スタッフだけではどうにもならず、ご家族の協力がなければ卒業できなかったであろう方もいます。
そうしたご家族はご自身の人生について考え、それを楽しむ資格があると私たちは考えます。私たちは皆様に病気や障がいに振り回されない人生の部分を広げてほしいと思っています。それはご家族の方々が少しでもご自身の人生を楽しむことが、その姿を見るご本人たちにも良い影響を与えることを知っているからです。
そのためにも私たちは「ひこばえ」の利用がご家族にとっても実り多いものであってほしいと思うと共に、ご家族にも様々なものを得る機会を提供できればと思っています。
卒業生のご家族には以下のように感じてくださった方が多くいらっしゃいます。
これらのことをご家族が得ることは、私たちのこの仕事に対する“やりがい”にも繋がり、このためにお手伝いできることを嬉しく思います。
ここで、私たちの大切なパートナーとしてのご家族にお願いしたいことがあります。
「ひこばえ」での生活はご本人やご家族が望む人生のための中継地点であることを頭の片隅に置いておいてください。「ひこばえ」には利用期間にも制限があり、いずれは「ひこばえ」を出て生活する日が必ず来ます。私たちは「ひこばえ」を出て生活する日が歓迎すべきものだと思っています。なぜならご本人やご家族の求めている人生は「ひこばえ」の外にあるからです。
そしてその時にご本人が一番に“感謝できる”と素直に言える存在であってください。
ご家族にとっても「ひこばえ」が人生の新しい希望を見出せる場であることを私たちは目指しています。